2013年5月3日金曜日

チヂミとベタ身


二つのマグロ赤身の写真を比べてください。

チジミ

ベタ身

上の写真のマグロは身がでこぼこした感じがあり、色がしっかりと発色しています。
逆に下の写真は身が「べたー」とした感じで色もちょっと黒ずんでいます。

同じ太平洋で獲れたメバチまぐろです。
まぐろ問屋では上の身質のマグロをチジミ、下の身質のマグロをベタ身と呼びます。さて、違いは何でしょう?

延縄漁法で取れたマグロは船の上に揚った時点で死んでいるものもいれば、生きて揚るものもいます。延縄とは100キロ以上の縄に餌をつけて流します。
短く見積もって100キロといえば、三崎から東京以上の距離で想像もつきません。縄を出し始めてから、縄を引くまでに数日かかるはずです。
その数日の間に早めにかかった魚は揚るまでに息絶えて死んでしまい、比較的後にかかった魚は生きて揚るというわけです。
死んで揚った魚は既に死後硬直が終わっており鮮度的にはあまり良くありません。
逆に生きて揚った魚は船の上で血抜きされ、そのまま急速冷凍室に入れられます。まだ死後硬直は始まる前に凍結がかかるのです。

既にお分かりだと思いますが、解凍した時点で身が縮むとそれが活〆の証拠。いわゆるチジミ身質になるのです(この時点で死後硬直状態になっています)。
ベタ身のマグロは死んで揚ったマグロの証拠です。

どちらがよいかと言うと、チジミのマグロのほうが市場評価は高いです。色も赤くしっかりと出て、色持ちも良いのが特徴です。ただし、解凍の仕方が悪いと身がクネクネしてしまいまた舌触りもざらざらした感のまぐろになってしまいます。
ベタ身の魚は色持ちがあまり良くない反面、解凍さえしっかりすれば旨みのある魚になります。牛肉と一緒で熟成されたものは美味しいのです。
またスーパー等でパックにいれて販売する場合は、身がクネクネしない分綺麗に見せることができます(色さえしっかりしてれば!!)。

本当にマグロの使用用途によって分かれますが、基本的にはチジミ質のマグロは間違いが少なく、色持ちも良いのでプロには薦めています。
でもベタ身のマグロは色がしっかりしていてねっとり質の身質は最高に旨い!!
でも失敗するとただの水っぽい黒ずんだまぐろになってしまいます。

貴方の好みはどっち?



2 件のコメント:

  1. こんにちわ!
    週末に江の島のお店に行きます。
    私のお気に入りは活アワビとバイ貝です♪
    いつもとってもおいしいです。
    今の時期のお勧めはなんでしょうか?
    青魚は苦手で、貝や脂ののった白身が好みです。
    先日、あぶらぼうずの記事をよみました。
    煮付け等で食べたことがありますが、寿司でもいただけるのですね~
    ビックリしました。ものすごい脂乗りですよね?
    冬場に行けば出会えるのかなあ・・

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  2. やざえもん2009年6月29日 16:41

    ��うなぎさん
    コメントありがとうございます。
    またいつもご来店ありがとうございます。
    これからの季節は貝類は美味しくなってきますね!!サザエは特に!!
    白身でオススメは甘鯛やノドグロなんかは脂のってきますね!!
    相模湾ではイサキ、スズキも美味しいですよ
    今後ともよろしくお願いします。

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