加熱のススメ1
マグロの食べ方で一番旨い方法は何?って聞かれる事が多いのがマグロ屋さん。
『やはり1番は刺身でしょう!!』『やっぱり!!』ってのが多いやり取り(なら聞くな(笑))だと思いますが、僕なりに答えると『部位によって違う』ってなります。
ちょっと詳しく。。
マグロも人間も構成する組織のほとんどが水とタンパク質です。
タンパク質は多くのアミノ酸の集まりでもあります。
このアミノ酸の組成の仕方によってこのたんぱく質の性質が異なります。
例えば『マグロ』と『ふぐ』で考えてみます。
マグロは基本的に刺身(生)だと柔らかく、加熱すると固くなります。
逆にふぐは刺身(生)だと固く、加熱すると柔らかくなります。
これは、いわゆるコラーゲン=硬タンパク質の量の違いです。
『コラーゲン-=硬タンパク質』は字を見ての通り固いのですが、加熱によってアミノ酸の組成が壊れ柔らかくなります。『ふぐ』のような、コラーゲンを多く含む魚は加熱する事によって柔らかくなるです。
逆にマグロは、コラーゲンを多く含まないので加熱する事によってアミノ酸の組成を壊し保有していた水分を無くしてしまいます。なので加熱すると固くなるのです。これは牛肉なんかも一緒です。
ではマグロは全部固くなるのかと言うと、そうではありません。。
マグロも硬タンパク質を組成する部位があります。
それはみんなが大嫌いな『スジ』です。
ふぐと同様にまぐろの『スジ』は生だと固く火を通すと上記理由によりゼラチン化されて柔らかくなります。
なので、スジの多い部位は徹底的に火を通す事で柔らかくなり旨くなるのです。
みんなが大好きな『マグロのカマ』これを生で食べたらスジだらけで誰ひとりとして旨いと言わないでしょう。と言うか食べられません。
これをBBQなど火を通す事によって柔らかくなりあの旨さが出てくるのです。
『マグロの尾の身』なんかも同様です。
なので『マグロのスジ』は加熱して旨く食べるべきなのです。。
個人的な考えとしては料理って化学反応なんですね。
しっかりとその理論を考えれば、誰だって旨く料理ができると思います。レシピを覚えるのと同時に何故そういう風にやるかを考えると面白いかもしれませんね。
0 件のコメント:
コメントを投稿