2013年5月3日金曜日

本マグロが値下がり!?

最近、こんな報道が多発しています。

鳥取で豊漁!天然本マグロ値下がり

多分この記事などを見て、僕以外のマグロ関係の人たちも大溜息をついていると思います。
腹立たしく思えていてしまいません。
この記事を見るとすべての本マグロが値下がりしていると感じるでしょう。

鳥取境港では、この時期から巻網漁を中心に近海の本マグロが水揚げされます。
僕も数年前に、境港に行きその状況を見たときに正直興奮した事を覚えています。

まず巻網漁から。
巻網漁は船団を組み、魚影に網を取り囲み悪い言い方、その魚影を文字通り「一網打尽」するやり方です。
夏場日本海には産卵の為、マグロが集まるようでそれを狙って巻網漁法の船が「一網打尽」します。

マグロはこの時期旬とは言えません。水温も暖かくなり産卵の為にマグロは卵に栄養を与えます。
無論、産卵後のマグロは所謂「ガリ」と呼ばれ本マグロでもトロなどは取れるはずもなく、大トロ部位の腹でさえ脂がありません。
それでいて上記にあるような巻網漁法であれば、魚がぶつかり合い乗っかり合い、そして「血抜き」と呼ばれる内臓とエラをとる作業は水揚げ後になるので、鮮度も良くはありません。

魚群を一網打尽するわけですから水揚げされれば、ほぼ必ず「大漁」となり、かつ旬を外していて、鮮度が保てない漁法での本まぐろに対して誰が評価をするのでしょうか?

(しかしながら境港から1本、60キロ代のマグロを買いましたがそれは、思ったよりもいいマグロでしたが。。。)

資源管理の面から、今年はこの巻網漁法のマグロに数量制限をしているとの事ですが、小さいマグロも一網打尽し、これから産卵するマグロも一網打尽してしまうこの漁法に対する是非は色々議論されている事は事実だと思います。
逆の面からは船にとって、この巻網漁法だけが採算が合う漁法としても聞いた事があり「そもそも論」を展開しなくてはなりません。

話は戻すと、結局こういった側面を伝えないと、すべてのマグロが格安売りとの認識を深めてしまいます。結局この境港のマグロは、ほぼほぼ量販店のセール品となります。
消費者にとっては安ければ安い方がいいのは十二分に分かっていますが、現状を考えると上記の「そもそも論」に行きつき、日本の漁業の衰退が加速化し、逆に尖閣諸島中心に中国が進出し日本の唯一の資源でもある水産物がすべて中国に獲られてしまうシナリオが見えていきます。

しっかりと、中身を伝えられないでしょうか。こういった面から考えてもメディアからの福島原発の情報は側面のみじゃないかと思ってしまいます。


1 件のコメント:

  1. 私は、鳥取県生まれなので、ついつい、この記事を見てしまいました。鳥取の境港で、まぐろを一網打尽にしてしまう巻網漁があるなんて知りませんでした。それも旬ではない時期に脂のあまり乗っていないマグロを捕るなんて。巻網漁でたくさん獲れるのでしょうけれども、長い目で見たら、いづれマグロが獲れなくなるのは、目に見えています。おいしいマグロが獲れるように、ちゃんと資源管理をしなくてはいけませんね。資源は無限ではないのですから。

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